基準統合の発表文で、輸送と証書を扱う側が最も注視すべきところは、行動・市場手段(AMI)基準に関する一文です。
提案は**「多重報告(multi-statement)」方式**を導入し、企業が三つの区別される要素を報告できるようにする — 自社の操業とバリューチェーンから出た排出(物理的排出)、商品証書や削減関連の契約のような市場手段に結びついた排出(市場ベース排出)、そして行動・投資判断の排出影響(結果的手法)
三つに分かれる
物理的排出 — 実際に燃やした燃料から出た排出。
市場ベース排出 — 証書と契約で確保した削減。
行動・投資の影響 — 自社の判断が世界に生んだ変化。
一つの数字に合算されず、それぞれの欄に書かれます。
実務では何を意味するか
証書を買えば自社の排出量の数字がその分だけ減るという期待は、基準が描く絵とかみ合いません。二つの数字は並べて置かれ、それぞれが自分の根拠を求めます。
これを損だと読む必要はありません。ひとまとめにされた数字より、分かれている数字のほうが説明しやすいからです。
根拠は一つです
三つの欄はそれぞれ別のことを問いますが、根拠として差し出すものは同じです。
物理的排出の欄は実際に燃やした燃料から計算され、市場ベースの欄の証書は発行されるために削減の根拠がなければならず、行動・投資の欄は変える前と後の記録が両方なければなりません。
どの区間で、いつ、どの車両が、どれだけの燃料を使ったか。
※ 本稿が引用した多重報告の方式は、発表文自身が「提案が導入する」と記したものであり、確定した基準の文言ではありません。
本稿は LCS 国際標準分析第1巻『二つの基準が一つになる』の一節を展開したものです。レポート全文は GHG Protocol が公開した発表文とパートナーシップの FAQ を一次出典とし、提案段階の内容はそのように明記しています。
二つの基準が一つになる
GHG Protocol と ISO がつくる単一の企業基準、そして排出が三つに分かれる理由
PDF · 5ページ · 0.5 MB
