EAC の話を持ち出すと、まず返ってくる反応がある。「それは公認されているのですか」
SBTi 企業ネットゼロ基準 V2.0 にはこの範疇が定義されている。
基準が定義した二つ
市場手段(market instrument) — 「二者以上の当事者間の契約的な取決めであり、温室効果ガスに関連する環境属性の創出・移転・主張を可能にするもの」(88ページ)。
商品証書(commodity certificate) — 「基礎となる財・製品・サービスの環境属性を表す第三者保証付きの市場手段」(82ページ)。
業界で EAC と呼ばれるものがまさにこの範疇である。基準の外にある別物ではなく、基準がすでに場所を用意している手段である。
そして条件が付く
基準は実施の階層を新たに導入したうえでこう続ける — こうした行動は「市場手段によって裏づけられうる。異なる管理の連鎖モデル(例:マスバランス、ブック・アンド・クレーム)に基づくエネルギー証書・商品証書を含み、基準が定めたガードレールの下で」(3ページ)。同じ文が要約部でも繰り返される(5ページ)。
要点は二つ。許されるということ、そして条件があるということ。検討を始める場所は「できるかできないか」ではなく「どんな条件を備えねばならないか」である。
誰が保証するのか
基準は自らの役割も明確にした。「SBTi は認証体系を開発したり置き換えたりしようとしているのではない」(47ページ)。代わりに第三者のフレームワーク・基準・プログラムを認定するための基準と手続を開発すると述べた。
だから証書を検討するときに問うべきことがもう一つある — この証書を誰が発行し、その機関がどこに立っているのか。
この記事は LCS EAC 特集1巻『買った削減は自社のものになるか』の一節を展開したものです。レポート全文は SBTi 企業ネットゼロ基準 V2.0 と SBTi 証拠統合報告書 Part 2 を一次出典とし、すべての引用に原文の印刷ページ番号を示しています。
買った削減は自社のものになるか
SBTi 基準 V2.0 が市場手段に課した条件、そしてまだ整理されていないこと
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