英国の再生輸送燃料義務制度(RTFO)を開いてみると、排出証書の値がなぜ国ごとに違うのかがすぐ見える。
制度の骨格
一つの履行年度に輸送用として45万リットル以上を供給する事業者は登録せねばならず、義務を負いうる。
義務者は再生燃料を供給した分だけ証書(RTFC)を受け取る — 「供給した持続可能な再生燃料の1リットル(または等価)ごとに」。
ここに二つの仕掛けが付く。
倍率 — 特定の廃棄物・残渣から出た燃料、専用エネルギー作物、RFNBO には1リットル当たり二倍の証書が発行される。何を原料に使ったかが証書の枚数を変える。
バイアウト — 義務を果たせなければ値を払う。「標準証書50ペンス、開発燃料証書80ペンス」である。
そして決定的な一行
「RTFC は公開市場で取引されうる」
この一行が値の構造を変える。英国の低排出燃料生産者は、自発的市場の証書を売る前にすでに公的義務から出た取引可能な収益を持っている。その収益が追加費用の一部を埋めるので、自発的証書が上乗せすべき分はその分だけ減る。
英国の充当率が27%と低く出た側には、こういう構造がある。
気体燃料
バイオメタンのような気体の場合も規定されている — 「気体はリットルではなくキログラムで報告され、証書発行のために気体ごとの倍率が適用される」。
※ 本稿は英国運輸省が公開した RTFO 案内文書を引用したものである。
本稿は LCS EAC 特集 4巻『制度が違えば証書が負う分も違う』の一節を書き起こしたものである。レポート本文は英国運輸省、ドイツ連邦議会、デンマークエネルギー庁、韓国エネルギー公団が公開した文書を一次出典とし、一次出典で確認できなかった数値は載せていない。
制度が違えば証書が負う分も違う
英国・ドイツ・デンマーク・韓国は違うものを数える
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